子育て・アドラー

気持ちを言葉にできない子が狙われる。アドラー読書会で聞いた「感情リテラシー」の話

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はじめに:社会人になった息子への心配

今年の春、うちの息子は社会人になった。

親としてはめでたい。めでたいのだが、心配事がひとつある。息子は難しい言葉や長い文章を読むのが苦手なのだ。契約書、うまい話、SNSのDM。世の中には、読めない・分からないにつけ込んでくる大人がたくさんいる。詐欺に巻き込まれないかと、常々心配していた。

そんなとき、月2回参加しているアドラー心理学の読書会で、講師の方から「感情リテラシー」という話を聞いて、心配の正体と、親にできることが少し見えてきた。同じ心配を持つお母さんに届いたら嬉しいです。

「感情リテラシー」とは——気持ちを言葉にする力

感情リテラシーとは、自分の気持ちに気づいて、言葉にする力のこと。

読書会の講師の方から、こんな話を聞いた。気持ちを言語化する能力が育っていない子は、犯罪に巻き込まれやすいのだそうだ。

あるテレビ番組で、犯罪組織に属していた人のインタビューがあったそうだ。若い子を勧誘するとき、その子の気持ちを代わりに言語化してあげると、「この人は自分のことを分かってくれている!」と勘違いして、ついて来てしまうのだと。

ぞっとした。私なりに受け取ると、自分の気持ちを言葉にしてもらう経験が足りていない子ほど、「言葉にしてくれる悪い大人」に心を開いてしまいやすい、ということなのだと思う。

ママ友の言葉で気づいた「話せる子は守られている」

息子の心配を読書会で話したとき、息子を赤ちゃんの頃から知ってくれているママさんが、こう言ってくれた。

「あの子は何かあったら『こんな事あってな〜』って周りの友達に話すと思うから大丈夫と思うよ。人に話すって事が大事やねん」

あ、ほんまや。

あの子はいつも友達とつるんでいて、遊んでばっかりと苦々しく思うこともあった。でも見方を変えれば、「何かあったら人に話せる」のは、それ自体が立派なセーフティネットだったのだ。困ったことを一人で抱え込まず、口に出せる。それができる子は、狙われても途中で誰かが気づいてくれる。

家庭でできること3つ

ここからは専門家の教えではなく、講師の話を聞いて「うちで出来ること何かあるかな」と私が考えて始めた3つ。同じ心配を持つお母さんの、何かのヒントになれば嬉しいです。

1. ニュースや詐欺の事例を家族でシェアする

「こんな詐欺があるんやって」と食卓で話題にするだけでOK。知ってるのと知らないのとで大違い。子どもが「あ、これ聞いたことある」と思えるだけで、立ち止まる確率が上がる。

2. まず親が気持ちを言語化して、見本になる

「お母さん、今日こんなことがあって悲しかったわ」。親が自分の気持ちを言葉にして見せることが、子どもの感情リテラシーの見本になる。気持ちを言葉にする文化は、家庭の会話から育つのだと思う。

3. 子どもの「友達に話す」習慣を否定しない

つるんでばかり、遊んでばかりに見えても、それは子どもの守りの網かもしれない。「また出ていくのー?」と言いたくなる気持ちをぐっとこらえて、話せる関係を大事にさせてあげたい。

追記:本人に、聞いてみた

思えば、彼が小学生の頃。玄関で送り出すときに「さらわれなや」(可愛いから連れて行かれないように気をつけて、の意味だ)と声をかけると、頭のてっぺんを触りながら「僕、皿無いで」と返してくる子だった。そうだね、カッパじゃないもんね。

そんな彼も社会人になった。この記事を書きながら、LINEをしてみた。

「社会人になって分からん事とかいっぱい出てきてると思うけど、どうしてるん?困ったことあったら誰に頼ってるん?」

「上司の人とか、同期とかに聞いてるー」

大好きな芸人・友近さんのスタンプ「それええね」で返した。

なかなか既読はつかないが。

身近に頼れる人がいて、素直に聞くことができてるんだな、と安心した。ママ友の言うとおり、「人に話せる」は、ちゃんと彼の中で育ち、私の代わりに守ってくれていた。

まとめ:言葉にできる子は、助けを求められる子

  • 気持ちを言語化できない子は、「言語化してくれる悪い大人」に狙われやすい
  • 「人に話せる」ことは、それ自体がセーフティネット
  • 家庭でできるのは、事例のシェア・親が見本になる・話せる関係を否定しないの3つ

心配は消えない。でも、彼を信じつつ、私にもできることをしていこうと思う。

この話を聞いた読書会の日の様子はこちらにつづっています。
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子どもの話の聞き方については、こちらもどうぞ。
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